一般・消化器外科では、卒後2年間の臨床研修を終了した医師を対象にして、3年間の後期臨床研修プログラムを作成し、応募者を公募しています。研修プログラムの到達目標は、外科における基本的な技能と知識を習得し、外科専門医資格取得レベルに達することです。
Targets and Goals後期臨床研修医の対象とプログラムの目標
後期臨床研修医(シニアレジデント)の対象となるのは、卒後初期臨床研修の2年間を終了し、その後の一般・消化器外科の臨床研修を希望する方です。
研修プログラムは、外科専門医として外科チームをリードし、患者から信頼を得て診療を担当できる臨床的能力を身につけることを目標としています。
また、後進の医師や学生の指導者としての教育能力を身につけることも目標とします。
研修を終了し、外科専門医受験資格を取得するに十分な臨床的経験を積んだ後には、引き続き一般・消化器外科の専門医研修を行うことができます。
Feature一般・消化器外科の特徴
- 毎朝行われるカンファレンスで、術前の症例、術後の症例を検討します。一つ一つの症例をきちんと吟味し、画像判読のトレーニング、プレゼンテーションのスキルアップが可能となります。医療の国際化を見据え、英語でのカンファレンスも実施しています。
- 2022年の全手術症例は1,163件、緊急手術を含め、すべての症例にシニアレジデントが参加します。大学病院ローテーション中でも、悪性腫瘍の手術を含めて、多くの術者経験が与えられます。その結果、シニアレジデントは最短(医師6年目)で日本外科学会専門医を取得することができます。
- 学会発表の機会がとても豊富にあります。日本外科学会をはじめとした国内学会、ASCOやESMOなど国際学会にも、例年コンスタントに演題を出しています。
- 当センターでの初期研修に引き続いて後期研修を行う先生、自治医科大学卒業生で義務年限を終えてから外科修練をおこなう先生、東北大学や自治医科大学本学などから派遣されている先生など、さまざまなキャリアを持ったメンバーと一緒に働けます。メンバーの出身大学は、全国各地にまたがっています。
- 敷地内の隣接している建物に研究所が併設されています。臨床の場と近いことで、臨床検体を活用し臨床の疑問を解決すべく、時を選ばず研究活動もすることができます。
- 大学院に進学して学位を取得することもできます。社会人大学院の制度を利用すれば臨床・手術を行いながらの学位取得も可能です。
- 診療科全体が、一人一人の将来設計に、フレキシブルに対応しています。大学院進学を含め、可能な限りのサポートをしています。
- 女性医師が多いのも特徴です。子育て中の女性医師も、勤務体系を工夫し、均等に手術に参加する機会を持てています。
- レクリエーション行事を多く設けています。ソフトボール大会、バーベキュー、芋煮会、スキー旅行、納涼会、忘年会…などなど。
Period and Content研修期間と内容
研修期間は原則として3年間です。ただし、希望者それぞれの事情により弾力的な対応が可能です。
研修内容は、日本外科学会の外科専門医修練カリキュラムに準じています。各臓器の専門医を指導医とするチームをローテーションすることにより、効率的に専門的知識と技能が取得できます。技能的熟練度に応じて、積極的に術者(あるいは第一助手)の経験が得られます。また、内視鏡(上部・下部)検査、処置に関しても指導いたします。
また、当センターは、一般・消化器外科関連では、
・日本外科学会:専門医制度修練施設
・日本消化器外科学会:専門医修練施設
・日本消化器病学会:専門医制度認定施設
・日本消化器内視鏡学会:専門医制度指導施設
・日本肝胆膵外科学会:高度技能医修練施設 A 認定
・日本大腸肛門病学会:大腸肛門病認定施設
・日本小児外科学会:教育関連施設
・日本食道学会:食道外科専門医修練施設
・日本胃癌学会:全国登録認定施設(外科)
・日本乳癌学会:認定・関連施設
・日本膵臓学会:認定施設
・日本内分泌外科学会:認定施設
・日本臨床腫瘍学会:認定研修施設
・日本がん治療認定医機構:認定研修施設
など多数の学会認定施設に指定されており、専門医取得にも有利です。
Surgical Procedure Statistics研修中に修習する各種手術とその件数
消化管及び腹部臓器
50例
乳腺
10例
呼吸器
10例
心臓
胸部大動脈10例
腹部大動脈
末梢血管10例
体表
内分泌外科10例
小児外科
10例
鏡視下手術
20例
Surgical Procedure Statistics執刀可能な手術・手技の目安
卒後3〜4年
- 鼠径ヘルニア根治術
- 開腹リンパ節生検
- 虫垂切除術(腹腔鏡・開腹)
- 胆嚢摘出術(腹腔鏡・開腹)
- イレウス解除術
- 小腸部分切除術
- 人工肛門造設術・閉鎖術
- 結腸切除術(開腹)
- 痔疾手術
- 異空腸吻合術
- 直腸前方切除術(開腹)
- 胸筋温存乳房切除術
- 乳房部分切除術
- 腹腔鏡下結腸切除術
- 幽門側胃切除術(開腹)
- 消化管穿孔・腹膜炎に対する緊急手術
- CVポート造設術
- イレウス管挿入
- 上下部消化管内視鏡
- 乳腺検査(FNAC・CNB)
卒後5〜6年
- 上記に加えて
- 甲状腺葉切除
- 腹腔鏡下鼠径ヘルニア根治術
- 腹腔鏡下腹壁瘢痕ヘルニア根治術
- 腹腔鏡下直腸前方切除術
- 腹腔鏡下直腸切除術
- 腹会陰式直腸切除術
- 胃全摘術(開腹)
- 大腸全摘術(開腹)
- 上部消化管穿孔に対する大網被覆/充墳術(開腹・腹腔鏡)
- 脾摘出術
- 胆管空腸吻合術
- 膵体尾部切除術
- 肝部分切除術
- 総胆管切開切石術
卒後7年〜
- 上記に加えて
- 腹腔鏡下腹会陰式直腸切断術
- 腹腔鏡下大腸全摘術
- 残胃全摘術
- 腹腔鏡下胃切除術
- 系統的肝切除術
- 膵頭十二指腸切除術
- 腹腔鏡下副腎摘出術
- 食道手術
Application method応募方法
後期研修医に応募する場合は、所定の応募用紙(さいたま医療センター総務課で配布)に必要事項を記載し、履歴書、医師免許証の写し、健康診断書、在職証明書などとともに学務係に提出してください。
提出期間、応募要項については変更も十分考慮いたしますので、まずは、下記連絡先までご一報ください。
- 連絡先
〒330-8503 さいたま市大宮区天沼町1-847
自治医科大学附属さいたま医療センター一般・消化器外科 医局長 武藤 雄太まで
Tel:048-647-2111 Fax:048-648-5188